仮想通貨(暗号資産)の税金は、利益が20万円になったら必ず発生するのでしょうか。
結論からいうと、「利益20万円以下なら誰でも非課税」というルールはありません。
会社員には、一定の条件で給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてもよい制度があります。しかし、住民税の申告や、学生・扶養内の人の申告判断は別です。
また、仮想通貨では日本円への売却だけでなく、ほかの暗号資産との交換や、レンディングなどの報酬受取でも所得が発生する場合があります。
この記事では、2026年分の税金について、国税庁の公式資料をもとに次の疑問を解説します。
- 仮想通貨の利益はいくらから確定申告が必要?
- 会社員の20万円基準はどう判断する?
- 学生や扶養内の人も税金がかかる?
- 売却・交換・保有ではいつ所得が発生する?
- 所得税・住民税はいくらになる?
- 年間取引報告書を使ってどう計算する?
先に押さえる3つのポイント
- 会社員の20万円基準は、一定の条件における所得税の確定申告不要制度。
- 仮想通貨の税金は売却代金ではなく、取得原価・必要経費を考慮した所得をもとに計算する。
- 2026年分の一般的な暗号資産取引は、原則として雑所得・総合課税のルールで考える。
仮想通貨の税金はいくらから?20万円基準の正しい考え方
仮想通貨の税金を考えるときは、「所得が発生すること」と「確定申告が必要になること」を区別しましょう。
税金は、すべての人に共通する「利益20万円から」という基準で決まるわけではありません。
会社員は20万円を超えると確定申告が必要になる場合がある
国税庁のNo.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」では、次の条件などに該当する場合、原則として所得税の確定申告が必要になるとされています。
- 給与を1か所から受け取っている
- 給与の全部が源泉徴収の対象になっている
- 給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える
これは、年末調整で給与に関する税金が精算される一般的な会社員を想定した制度です。
重要なのは、20万円は仮想通貨の売却金額ではなく、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計で判断することです。
| 具体例 | 所得の合計 | 所得税の申告判断 |
|---|---|---|
| 仮想通貨の所得15万円のみ | 15万円 | 一定の条件では申告不要 |
| 仮想通貨15万円+副業所得5万円 | 20万円 | 一定の条件では申告不要 |
| 仮想通貨15万円+副業所得6万円 | 21万円 | 原則として申告が必要 |
※いずれも給与が1か所、年末調整済み、給与収入2,000万円以下などの条件を満たし、ほかに申告が必要となる事情がない場合の例です。
「20万円以上」ではなく、20万円を超えるかが判断のポイントです。
また、20万円は所得から差し引ける控除額ではありません。例えば所得が21万円だからといって、21万円から20万円を引いた1万円だけが課税対象になるわけではありません。
給与収入が2,000万円を超える場合や、複数の勤務先から給与を受け取っている場合などは、別の申告条件があります。
20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合がある
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告まで不要になるとは限りません。
個人住民税には、会社員の所得税における20万円以下の申告不要制度と同じ仕組みはありません。
例えば、給与所得以外に15万円の雑所得がある場合、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
所得税の確定申告書を提出した場合は、その情報が自治体にも連携されるため、通常は同じ所得について住民税申告書を別途提出する必要はありません。
一方、所得税の確定申告をしない場合は、住所地の市区町村で申告の要否を確認しましょう。
参考:さいたま市「副業の所得が20万円以下の場合でも申告は必要ですか?」
医療費控除などで確定申告する場合は20万円以下の所得も申告する
仮想通貨の所得が20万円以下でも、医療費控除などを受けるために所得税の確定申告をする場合は、その所得も合わせて申告する必要があります。
例えば、年末調整済みの会社員が仮想通貨で10万円の所得を得た場合、条件を満たせば所得税の確定申告は不要です。
しかし、医療費控除を受けるために確定申告するなら、その10万円の所得も申告対象になります。
20万円以下の所得を、申告書から省略できるわけではありません。
学生・主婦(主夫)・扶養内の人はどうなる?
学生や扶養内で生活している人についても、「利益33万円から確定申告が必要」といった一律の基準はありません。
申告の必要性は、給与などを含む所得の種類・金額、所得控除、本人の状況などによって変わります。
また、税金に関する「扶養」には、本人の所得税だけでなく、親や配偶者の税金に関係する扶養控除・配偶者控除などの問題もあります。
そのため、本人の所得税が発生しない場合でも、家族の控除に影響することがあります。
健康保険上の扶養については税法上の扶養とは別の基準があるため、加入する健康保険の案内も確認してください。
特に学生や扶養内の人は、次の情報を整理してから判断しましょう。
- 給与・アルバイト収入
- 暗号資産取引による所得
- ほかの副収入
- 本人に適用される所得控除
- 親や配偶者の扶養控除・配偶者控除への影響
税金の申告要否と、家族の扶養に関する条件を混同しないことが重要です。
仮想通貨で税金が発生する取引・しない取引
仮想通貨は、日本円に換金していなくても所得が発生する場合があります。
まず、代表的な取引を確認しましょう。
| 取引内容 | 所得が発生する可能性 | ポイント |
|---|---|---|
| 日本円で仮想通貨を購入 | 通常は発生しない | 取得価額を記録する |
| 仮想通貨を保有するだけ | 通常は発生しない | 含み益は売却益ではない |
| 仮想通貨を日本円で売却 | ある | 譲渡原価などとの差額を計算 |
| 別の仮想通貨へ交換 | ある | 交換時の円換算額を確認 |
| 仮想通貨で商品を購入 | ある | 決済に使った通貨の譲渡損益を計算 |
| ステーキング・レンディング等の報酬受取 | ある | 取得時点の時価などを確認 |
| 自分のウォレット間で移動 | 通常は移動だけで所得は発生しない | 所有者・取引の実態を確認 |
※一般的な個人の現物取引を想定した整理です。無償譲渡・贈与・相続・法人取引などには別の取り扱いがあります。
日本円で売却した場合
例えば、10万円で取得した仮想通貨を15万円で売却したとします。
売却額と取得原価の差額は5万円です。
ただし、実際の所得計算では、取得価額の計算方法や売却時の手数料なども考慮します。
銀行口座に日本円を出金した日ではなく、仮想通貨を売却した取引を確認することが大切です。
国税庁の暗号資産税務FAQでは、売却等による収入を計上する時期について、原則として暗号資産の引渡日を基準とし、選択によって契約日を基準とすることもできると説明しています。
仮想通貨同士を交換した場合
BTCをETHに交換した場合なども、所得が発生する可能性があります。
例えば、取得原価10万円のBTCを、交換時の時価が15万円相当のETHと交換したとします。
この場合、BTCを15万円相当で譲渡したものとして、BTCの譲渡損益を計算します。
同時に、受け取ったETHについても取得価額を記録します。
日本円を銀行口座へ出金していないからといって、所得計算が不要になるわけではありません。
仮想通貨で商品を購入した場合
仮想通貨を商品やサービスの支払いに使う場合も、使用した暗号資産を譲渡したものとして所得を計算します。
例えば、取得原価6万円分のBTCを使って10万円の商品を購入した場合、差額4万円が譲渡益の計算対象になります。
実際の所得は、取得原価や必要経費を考慮して求めます。
レンディング・ステーキングなどで報酬を受け取った場合
マイニング、ステーキング、レンディングなどによって暗号資産を取得した場合、取得に伴う利益は原則として課税対象になります。
国税庁は、取得した暗号資産の取得時点の時価を収入金額に算入し、必要経費を考慮して所得を計算すると説明しています。
例えば、報酬として0.01ETHを受け取り、その時点の時価が1ETH=40万円だった場合を考えます。
報酬の受取時点の評価額は、次のとおりです。
0.01ETH × 400,000円=4,000円
この4,000円は、報酬の受取時点における円換算額です。
その後、ETHの価格が下がることもあります。また、受け取ったETHを売却するときには、別途譲渡損益の計算が必要になる場合があります。
受取数量・受取時点の円換算額・売却価格・最終的な投資損益は区別して記録しましょう。
保有しているだけの含み益には通常課税されない
例えば、10万円で購入したBTCの時価が20万円に上昇しても、単に保有しているだけなら、通常はその値上がりによる所得は発生しません。
この状態を「含み益」といいます。
ただし、売却していなくても、交換・決済・報酬受取などで所得が発生する場合があります。
「日本円に換金しなければ税金は関係ない」と考えないようにしましょう。
仮想通貨の所得税・住民税はいくら?計算方法を解説
2026年分の一般的な個人の暗号資産取引では、所得は原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。
総合課税とは、給与所得など対象となる所得を合計し、所得控除を差し引いた課税所得をもとに所得税を計算する仕組みです。
つまり、仮想通貨の利益だけを見て税率を決めることはできません。
所得税は5〜45%の累進税率
所得税は、課税所得に応じて税率が高くなる超過累進税率です。
国税庁が公表している所得税の速算表は、次のとおりです。
| 課税所得 | 所得税率 | 速算表の控除額 |
|---|---|---|
| 1,000円〜194万9,000円 | 5% | 0円 |
| 195万円〜329万9,000円 | 10% | 97,500円 |
| 330万円〜694万9,000円 | 20% | 427,500円 |
| 695万円〜899万9,000円 | 23% | 636,000円 |
| 900万円〜1,799万9,000円 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円〜3,999万9,000円 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円以上 | 45% | 4,796,000円 |
※2026年4月1日現在の国税庁No.2260に基づきます。特別な課税制度の対象となる所得などは別です。
所得税の基本的な計算は、次の式です。
所得税額の基本式
課税所得 × 該当する税率 − 速算表の控除額
※復興特別所得税や各種税額控除を反映する前の計算です。
速算表の「控除額」は、課税所得から先に差し引く所得控除ではありません。
税率を掛けたあとに、計算結果から差し引く金額です。
課税所得800万円の場合の計算例
給与所得や暗号資産の雑所得などを合計し、社会保険料控除・基礎控除などの所得控除を差し引いた結果、課税所得が800万円になったと仮定します。
800万円は所得税率23%の区分に当てはまります。
8,000,000円 × 23% − 636,000円 = 1,204,000円
この場合の所得税額は、復興特別所得税や税額控除などを反映する前で1,204,000円です。
ここでいう800万円は、年収800万円という意味ではありません。
また、仮想通貨だけで800万円の利益が出たという意味でもありません。
給与収入・給与所得・仮想通貨の所得・課税所得はそれぞれ異なる金額です。
実際の計算では、ほかの所得や所得控除、税額控除、源泉徴収済みの税額などを考慮する必要があります。
参考:国税庁「所得税の税率」
復興特別所得税も考慮する
2026年分は、原則として基準所得税額の2.1%に相当する復興特別所得税も計算します。
例えば、基準所得税額が1,204,000円で、税額控除などを考慮しない場合、復興特別所得税の計算例は次のとおりです。
1,204,000円 × 2.1% = 25,284円
この条件での所得税と復興特別所得税の合計は、1,229,284円です。
ただし、実際の申告では税額控除や端数処理などが関係するため、必ずしもこの金額と一致するわけではありません。
住民税は所得税と別に計算する
個人住民税には、所得に応じて計算する「所得割」と、一定の金額を負担する「均等割」などがあります。
所得割の標準税率は合計10%ですが、自治体による違いや税額控除などがあります。
また、住民税の所得控除は所得税と完全に同じではありません。
そのため、所得税で使った課税所得に単純に10%を掛ければ、正確な住民税額になるとは限りません。
住民税は、住民税の計算に用いる所得金額から適用される所得控除を差し引き、所得割の税率や税額控除などを反映して計算します。
均等割や森林環境税などについても、住所地の自治体の案内を確認しましょう。
仮想通貨の所得を計算する方法
仮想通貨の所得計算では、まず取引ごとの売却額と取得原価を確認します。
基本的な考え方は次のとおりです。
暗号資産の所得 = 総収入金額 − 譲渡原価 − その他の必要経費
ただし、実際には複数の売買や交換、報酬受取などを年間で集計します。
具体例:BTCを一部売却した場合
計算をわかりやすくするため、次の条件を考えます。
- 1BTCを100万円で取得した
- そのうち0.1BTCを15万円で売却した
- 売却手数料は1,000円
- ほかの取得・売却はなく、取得時の手数料は考慮しない
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却代金 | 150,000円 |
| 売却した0.1BTCの取得原価 | 100,000円 |
| 売却手数料 | 1,000円 |
| 所得 | 49,000円 |
150,000円 − 100,000円 − 1,000円 = 49,000円
売却代金15万円がそのまま所得になるわけではありません。
また、この49,000円がそのまま所得税額になるわけでもありません。
ほかの所得や所得控除と合わせて、最終的な税額を計算します。
総平均法と移動平均法の違い
同じ暗号資産を複数回購入した場合は、譲渡原価を適切に計算する必要があります。
個人の暗号資産の評価方法には、主に総平均法と移動平均法があります。
| 方法 | 計算の考え方 |
|---|---|
| 総平均法 | 年間の取得価額と取得数量などから平均単価を計算する |
| 移動平均法 | 暗号資産を取得するたびに平均単価を計算し直す |
評価方法は暗号資産の種類ごとに選定します。
初めて取得した場合などには、所定の期限までに評価方法の届出が必要です。届出を行わない場合、個人は総平均法になります。
一度選んだ評価方法を変更する際にも、所定の手続きが必要です。
国税庁は、両方の評価方法に対応した計算書を公開しています。
必要経費にできるものは?
国税庁は、暗号資産の売却に関する必要経費として、譲渡原価や売却手数料などを挙げています。
また、通信費やパソコン購入費用などについても、暗号資産の売却に直接必要な支出と認められる部分を、必要経費に算入できる場合があります。
ただし、私生活でも使っている通信回線やパソコンの費用を、無条件に全額経費にできるわけではありません。
私的利用と取引利用を区分できるか、減価償却が必要かなども確認します。
また、取得価額に含めて処理した手数料を、別の経費として再度差し引かないように注意しましょう。
領収書や利用明細、取引履歴を残しておくことが大切です。
損失が出た場合は給与所得と相殺できる?
一般的な暗号資産取引で生じた雑所得の損失は、給与所得などほかの所得区分と損益通算できません。
例えば、給与所得がある会社員が仮想通貨で30万円の損失を出しても、その30万円を給与所得から差し引いて所得税を減らすことはできません。
同じ年の総合課税に該当する雑所得の範囲内では、所得計算上、損益を合わせられる場合があります。
ただし、事業所得に該当する取引や、特別な課税制度が適用される取引などでは扱いが異なることがあります。
2026年分の一般的な雑所得の暗号資産取引では、損失を翌年以降へ自由に繰り越す制度もありません。
損失が発生した場合でも、取引内容と所得区分を整理しておきましょう。
参考:国税庁「損益通算」
仮想通貨の確定申告までの5ステップ
仮想通貨の確定申告で重要なのは、申告時期になってから取引履歴を探すのではなく、年間の取引を記録しておくことです。
① 2026年の取引履歴を集める
2026年1月1日から12月31日までの取引について、利用した取引所やウォレットの履歴を集めます。
前年以前に購入した暗号資産を2026年に売却した場合は、その取得価額も必要です。
主に確認するものは次のとおりです。
- 暗号資産の購入履歴
- 売却履歴
- 暗号資産同士の交換履歴
- 商品・サービスの決済履歴
- レンディング・ステーキング等の報酬履歴
- 取引手数料などの明細
- 年初・年末の保有数量と前年から引き継ぐ取得価額
複数の取引所を使っている場合は、それぞれの履歴を確認してください。
取引履歴を集めたら、次の項目を一覧に整理すると、年間損益を確認しやすくなります。
| 記録する項目 | 具体例 |
|---|---|
| 取引日時 | 2026年6月10日 |
| 取引内容 | 購入・売却・交換・報酬受取 |
| 暗号資産の種類・数量 | BTC 0.01 |
| 取引時の円換算額 | 100,000円 |
| 手数料 | 500円 |
| 利用したサービス | 国内取引所・海外取引所・ウォレット |
※表の数値は記録例です。実際の損益計算では、前年から引き継ぐ取得価額や、適用する評価方法なども確認する必要があります。
特に暗号資産同士の交換や報酬受取では、取引時点の円換算額を記録しておきましょう。
② 年間取引報告書を確認する
国内の暗号資産交換業者では、年間取引報告書が提供される場合があります。
報告書には、年間の購入数量・購入金額・売却数量・売却金額などが記載されています。
国税庁の計算書では、年間取引報告書を利用する場合、総平均法用の計算書を使うよう案内しています。
ただし、年間取引報告書だけで、すべての取引が自動的に網羅されるとは限りません。
海外取引所や自己管理ウォレットでの取引、報酬受取など、報告書に含まれない取引がある場合は別途確認します。
③ 暗号資産ごとに所得を計算する
BTC・ETHなど、暗号資産の種類ごとに取得価額と譲渡原価を整理します。
売却・交換などの収入金額から、譲渡原価や必要経費を差し引きます。
暗号資産の取得原価は、取引所ごとではなく、同一種類の暗号資産について適用する評価方法に従って計算します。
計算が複雑な場合は、国税庁の計算書や、取引履歴の集計に対応したツールを利用する方法もあります。
ただし、ツールを使う場合も、対象の取引や手数料が正しく取り込まれているか確認しましょう。
④ ほかの所得や所得控除を整理する
会社員の場合は、勤務先から交付される源泉徴収票を用意します。
そのうえで、暗号資産の所得、ほかの副収入、社会保険料控除、医療費控除など、申告に必要な情報を整理します。
扶養控除や配偶者控除などの適用についても、対象となる人の所得状況などに応じて確認してください。
⑤ 国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告する
所得と必要書類が整理できたら、国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用して申告書を作成できます。
一般的な個人の暗号資産取引による所得は、原則として雑所得(その他)に区分されます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、暗号資産の計算書で求めた収入金額や必要経費などを、雑所得の入力画面に反映します。
入力前に、取引所の年間取引報告書、暗号資産の計算書、源泉徴収票などを用意しておくと手続きを進めやすくなります。
国税庁の案内では、暗号資産の計算書を使って所得を計算した場合、その計算書自体を確定申告書に添付する必要はないとされています。
ただし、後から内容を確認できるよう、計算書と根拠となる取引履歴などは保管しておきましょう。
2026年分の申告期限や利用できる作成画面は、国税庁が案内する対象年分の情報を確認してください。
所得税の確定申告をしない場合でも、住民税申告が必要になるときは、住所地の市区町村で手続きを確認しましょう。
仮想通貨の税金は20%の分離課税に変わる?
暗号資産の課税制度については、2026年に改正が進められました。
令和8年度税制改正では、一定の暗号資産取引による所得を、ほかの所得と分けて課税する仕組みが設けられています。
対象となる所得について、所得税15%・住民税5%の合計20%という税率が定められています。
ただし、すべての暗号資産や取引に無条件で適用されるわけではありません。
また、適用開始時期は、関連する金融商品取引法の改正法の施行時期と連動します。
2026年分の一般的な暗号資産取引について、将来の分離課税を先取りして税額を計算しないようにしましょう。
制度の対象となる取引や適用開始時期は、改正法令と公式資料で確認する必要があります。
詳しくは、仮想通貨の20%分離課税はいつから?2026年改正の対象と注意点で解説しています。
参考:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(暗号資産の項目・PDF23〜24ページ)
仮想通貨の税金に関するよくある質問
Q. 仮想通貨の所得が20万円以下なら税金は0円ですか?
必ず0円になるわけではありません。
会社員には一定の条件で所得税の確定申告が不要になる制度がありますが、住民税の申告まで不要になるとは限りません。
ほかの所得や所得控除、申告の有無も確認する必要があります。
Q. 学生が仮想通貨で利益を出したら確定申告が必要ですか?
学生かどうかだけでは決まりません。
給与・アルバイト収入、暗号資産による所得、本人に適用される所得控除などをもとに判断します。
また、親などの扶養控除に影響する可能性もあるため、本人の税金と家族の税金を分けて確認してください。
Q. ビットコインを売却せず持っているだけなら非課税ですか?
個人が単に保有している暗号資産の値上がりについては、通常、含み益だけでは所得は発生しません。
ただし、売却のほか、ほかの暗号資産への交換や決済、報酬受取などによって所得が発生することがあります。
Q. 仮想通貨で損失が出た場合、給与所得から差し引けますか?
原則として雑所得に該当する暗号資産取引の損失は、給与所得と損益通算できません。
また、2026年分の一般的な雑所得の暗号資産取引では、損失を翌年以降へ繰り越すこともできません。
所得区分や取引内容によって扱いが異なる場合があるため、取引記録を保管してください。
Q. 少額の利益なら申告しなくても分かりませんか?
申告義務の有無と、税務署が取引を把握するかどうかは別の問題です。
取引額が小さくても、申告が必要な場合があります。
申告漏れがあった場合は、状況によって延滞税や加算税などが発生する可能性があります。
「必ず発覚する」「少額なら見つからない」といった情報だけで判断せず、公式の申告条件を確認しましょう。
まとめ|2026年分の仮想通貨の税金は所得と申告条件を分けて確認しよう
仮想通貨の税金について重要なのは、売却金額と所得、所得と確定申告の必要性を区別することです。
- 会社員の20万円基準は、一定の条件で適用される所得税の確定申告不要制度
- 20万円は売却代金ではなく、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計で判断する
- 所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合がある
- 日本円への売却だけでなく、交換・決済・報酬受取でも所得が発生する場合がある
- 一般的な暗号資産取引による所得は、2026年分では原則として雑所得・総合課税
- 取得価額と必要経費を確認し、総平均法・移動平均法などのルールに従って計算する
- 損益計算には取引履歴や年間取引報告書を活用する
2026年の取引については、12月31日までの取引記録を整理し、前年から引き継ぐ暗号資産の取得価額も確認しておきましょう。
最新の税務情報を調べるときは、金融庁・国税庁・取引所公式の情報を確認する方法も参考にしてください。
また、資産を長期間保有する場合は、税金だけでなく秘密鍵や取引所の管理リスクにも注意が必要です。詳しくは仮想通貨の安全な保管方法で解説しています。
税金について個別に確認したい場合
この記事は、一般的な税務情報を説明したものです。
確定申告の必要性や所得区分、必要経費、扶養控除などの適用は、個人の取引状況や所得状況によって異なります。
個別の判断に迷う場合は、税理士への相談や、次の公式窓口を活用してください。
住民税に関する申告は、お住まいの市区町村の税務担当窓口で確認してください。

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