仮想通貨投資を始めようと思っていてもこんな疑問を持った方もいると思います。
- 仮想通貨の税金は高いの?
- 税金はいくらからかかるの?
- 税金を抑える方法は?
こんな疑問を解決するために、今回は、仮想通貨の税金はいくらからかかるのか、日本の税金ルールについて詳しく解説します。
税金は、知らなかったでは済まされない世界です。知らずに投資すると、罰金を取られることもあります。
みなさんにはそうなってほしくないので、初心者の方にも伝わるよう、できるだけ専門用語を使わずに説明しますので、ぜひご覧ください。
会社員は利益20万円以上から税金がかかる
会社員の場合、仮想通貨の利益と他の副業の利益を合わせて1年に20万円以上の方は、税金を納める必要があります。
例)副業で10万円稼いでいて、仮想通貨の利益が15万円ある場合は合わせて25万円のため、確定申告が必要。
確定申告
その年に納める税金を計算し、国や自治体に申告すること。
1年に1回、2月16日から3月15日の間に行う。
学生や主婦を扶養している人は、年間利益33万円以上から確定申告の対象になります。額が増えたのは、扶養控除が使えるためです。
仮想通貨の利益(所得)に対して15~55%の税金がかかる
これまで、利益に対して税金がかかると言っていましたが、厳密には、利益から手数料などを差し引いた所得に対してかかります。
所得=利益-手数料などの経費
主な経費
- 購入手数料、売買手数料、入出金手数料など
- 仮想通貨について勉強するためのセミナー代、書籍代
仮想通貨の所得は、「雑所得」という所得に分類されます。雑所得とは、どんな所得にも分類されないものです。雑所得にかかる次の2種類で税率は合わせて15〜55%。
- 所得税
- 住民税
内訳を説明します。
所得税
所得税は、累進課税といって、稼げば稼ぐほど納める税金も大きくなります。総合課税なので、本業の給与と仮想通貨の所得を足した額が所得額です。下の表は所得額に対してかかる税率。
所得税の税率は、5~45%です。
控除額は、所得額から引くものです。例を挙げて説明します。
例)本業の給与所得500万円、仮想通貨の利益(所得)300万円の場合
所得は800万円なので税率は、23%となる。
納める所得税は、(800万円 – 636,000(控除額))× 0.23(税率) =1,693,720 円(約170万円)
※ほかの控除がある場合は、税額が異なります
住民税
住民税の税率は、基本的に一律で、10%です。いくら儲かっても10%。先ほどの例で、納める税金を計算してみます。
例)本業の給与所得500万円、仮想通貨の利益(所得)300万円の場合
所得は800万円
所得税:1,693,720 円(約170万円)
住民税:800万円×0.1(10%) =80万円
納める税金=約170万円+80万円=約250万円
所得税と住民税の税率を合わせると、かかる税金は15〜55%になります。
税金がかかる取引3選
仮想通貨で税金がかかるのは、売買だけではないから注意しよう!
ここからは、税金がかかる仮想通貨の取引について3つ紹介していきます。
- 仮想通貨の売買
- 店舗やネットでの仮想通貨決済
- 他の仮想通貨との交換
細かく言えば、これらの他にも税金がかかる取引はありますが、中級者以上の方向けになるのでここでは割愛します。
仮想通貨の売買
一番イメージしやすい取引です。仮想通貨を買った価格より売った価格の方が大きければ、その差額に対して税金がかかります。
例)
10月に1ビットコインを500万円購入した。
12月に1ビットコインを1000万円で売却した。
差額の500万円に対して税金がかかる。
これは一番わかりやすいですよね。
店舗やネットでの仮想通貨決済
最近は、日常的に店舗やインターネットで仮想通貨決済が使える店が増えてきています。日常決済で仮想通貨を使うことは、法定通貨への変換(利益確定)とみなされて、税金がかかります。
法定通貨とは、日本円やアメリカドルなど国が価値を保証している通貨のことです。
例)
10月に1BTCを500万円購入した。
12月に1BTCが1000万円に値上がりしていた。
12月に200万円の車を0.2BTCで決済した。
200万円(商品価格)- 500万円(取得時の価格)×0.2(BTCの量)=100万円
100万円に対して税金がかかる
※BTC=ビットコイン
少し計算が複雑になりますが、慣れたらすぐにできるようになります。
他の仮想通貨との交換
持っている仮想通貨を他の仮想通貨に交換したときも税金がかかります。かかる税金の計算方法は店舗やネットでの仮想通貨決済と一緒です。
上の例でいうと、車が他の仮想通貨に変わるだけです。
ここでの詳しい説明は割愛していますが、貸して稼ぐレンディングや保持して稼ぐステーキングも利益に対して税金がかかることは変わりません。
税金を抑える方法
税金を納めたい人はいませんよね。誰もが、できるなら納めたくないはずです。
そこで、仮想通貨の税金を抑える方法を二つ紹介します。
- 売らない、決済しない
- 税制改正を待つ
売らない、決済しない
仮想通貨の税金は、どんなに値上がりしても保有しているだけではゼロです。保有していて利益が出ている状態を含み益といいます。
例えば、500万円で買った1BTCが1000万円に値上がりしたら、含み益は500万円です。このBTCは売却しない限り、税金はかかりません。
でも売らなければ利益にならないんじゃない?
その通り!だから税制改正まで待つ!
税制改正を待つ
実は、代表的な金融商品である株式の税金は、一律で20%です。本業の給与とは別で考える分離課税ですので、株式の利益のみに対して20%の税金がかかります。
仮想通貨の税金とは大違いですよね。仮想通貨の場合は最大55%と税率が高いです。ですので、株式と同じように20%にしてほしいとの声がとても多くあがっています。
その影響で、2022年末に法人の税制を改正する案や事業所得の基準を緩くするなど日本政府も少しずつ仮想通貨の税制度に対して、前向きな発言が出てきました。 株式のように、分離課税で一律20%になることを待ちながら、コツコツ投資していきましょう。
「なんだよ、当たり前じゃん」と思われた方すみません。今すぐ利益確定したい場合は、普通に税金を払うしかありません。
仮想通貨の税金Q&A
仮想通貨の税金についてよくある質問に回答します。
Q1.少額なら払わなくてもバレないんじゃない?
税務署は、銀行口座の入出金履歴、送金履歴を全て把握できるので絶対にばれます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
Q2.いつになったら累進課税はなくなる?
わかりません。
ですが、FXが分離課税になるまで約13年かかったので、仮想通貨もその付近の年数で分離課税になるかもしれません。
日本で本格的に仮想通貨取引が始まったのが、2017年ですので、2030年までには、分離課税になる可能性があります。
Q3.去年の損失と今年の利益を相殺できる?
仮想通貨では、年をまたいでの利益と損失の相殺は認められていません。
例えば、去年300万円の損失が出ていて、今年300万円の利益が出ても、相殺できないため、300万円に対しての税金を支払う必要があります。
Q4.税金がかかるのはビットコインだけ?
いいえ、ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)にも税金がかかります。
Q5.どうやって確定申告するの?
国税庁のホームページで詳しく解説されていましたので、紹介します。
申告漏れが発覚すると追徴課税がある
税金は、知らなかったでは済まされない世界です。納めていない税金が発覚すると、過去に遡って、請求されます。
その際、延滞税と言って、本来納めるべき税金以上のお金を請求されることもあります。
だからといって「わからないから行動しない」のはもったいないです。もし仮想通貨に関してわからないことがあれば、問い合わせかインスタグラムのDMで聞いていただければお答えします。
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正しい知識を付けて、一緒に儲けていきましょう!
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